道場長の柔術コラム Vol.9
「柔術とコミュニティ ― 仲間とつながる力」
柔術の魅力は、技術やフィジカルの成長だけではありません。
それ以上に大きな価値を持つのが、仲間とのつながりです。
道場に一歩入れば、年齢も職業も国籍も関係なく、同じ道着を着てマットの上で向き合います。
日常では出会うことのない人たちと、汗を流し、技を掛け合い、笑い合う。そこには、肩書きも上下関係も存在しない、シンプルで健全な人間関係があります。
私自身、柔術を通じて多くの仲間と出会いました。
海外遠征に行けば、言葉が通じなくてもグリップを組めば分かり合える。
新潟で道場を立ち上げてからは、柔術が縁で人生を前向きに変えていく人たちをたくさん見てきました。
カルペディエム新潟でも、経験や強さに関わらず支え合いながら成長する文化を大切にしています。ある人にとっては技術の上達が目標かもしれません。別の人にとっては、健康づくりやストレス解消かもしれません。けれど、目指すものが違っても「一緒に強くなる」ことで仲間意識が育まれていきます。
このコミュニティの力は、柔術を長く続けるうえで大きな支えになります。
ひとりではくじけそうなときも、仲間がいるから続けられる。勝っても負けても「よくやった」と声をかけてくれる仲間がいる。それがどれほど心強いことか。
柔術は「ひとりで強くなる武道」ではなく、「仲間と共に成長する武道」です。
だからこそ、道場は単なる練習の場ではなく、人生を豊かにしてくれるコミュニティなのです。