道場長の柔術コラム Vol.7
「セルフディフェンスとしての柔術」
ブラジリアン柔術は、今やスポーツ競技として世界中に広まっています。
しかし、もともとの起源をたどると「護身術(セルフディフェンス)」としての側面が強くありました。
武器を持たない状況で、自分より大きく強い相手にどう立ち向かうか。
その答えとして柔術は「距離を詰める」「力を逃す」「体勢を整える」といった戦略を重視します。パンチやキックの打撃戦に巻き込まれず、組んで相手の力を半減させる。ここに柔術の本質があります。
道場で練習するガード、フレーム、エスケープといった基礎動作は、すべてセルフディフェンスに直結しています。
たとえば、押し倒されても呼吸を確保するフレームを作れば、落ち着いて脱出を図れる。立ち上がるスペースを確保できれば、逃げるという選択も取れる。
「負けない」ことを優先する姿勢は、日常の危機管理にも通じます。
私自身、柔術を学び続けて感じるのは、セルフディフェンスは技術だけでなく心構えだということです。
予想外の状況でパニックに陥らず、呼吸を整え、冷静に動けること。これは試合のマットの上でも、日常の人生でも大切な力です。
カルペディエム新潟では、競技柔術を楽しむ方も、健康づくりやライフワークとして柔術を学ぶ方もいます。
それぞれに共通しているのは、「柔術があれば安心して生きられる」という感覚です。
護身術としての柔術は、単に身を守るだけでなく、心を強くし、日常を豊かにしてくれます。