道場長の柔術コラム Vol.4
「ポジションがすべてを決める」
柔術を学んでいると、つい派手なサブミッションに目が行きがちです。
しかし、私が選手としても指導者としても強く感じるのは、柔術はポジションの格闘技だということ。
例えば、マウントポジション。
相手の胸の上に跨り、重心を安定させた状態。ここに至るまでの過程には、多くの選択と工夫がありますが、一度そこに到達すれば、相手は大きな不利を抱え、自分は大きなアドバンテージを手に入れます。
また、サイドコントロールやニーオンベリーも同じです。
上を取ることで呼吸を支配し、相手の動きを制限し、自分は次の展開を選ぶ自由を持つ。つまり「攻める前に勝負は決している」と言っても過言ではありません。
これは試合だけでなく、練習や日常生活の姿勢にもつながります。
不利なポジションに置かれても焦らず、まずは体勢を立て直す。優位なポジションを得たら、慌てて極めに走らず安定させる。この考え方が身につけば、技術の精度も上がり、心の余裕も育まれます。
カルペディエム新潟では、初心者の方にも「まずはポジションを大切に」と伝えています。
勝つための技術は、その先にある。ポジションを理解している人ほど、強くなるスピードは早いのです。
柔術は「技で勝つ」のではなく、「ポジションで勝つ」