道場長の柔術コラム Vol.3
「柔術の基礎 ― フレームとベースの考え方」
柔術の技には、スイープやパス、サブミッションなど数え切れないほどのバリエーションがあります。
けれども、その土台となるのはとてもシンプルな「基礎」です。
基礎とは何か。
私が特に大切にしているのは フレーム と ベース です。
フレームとは、相手との間に作る「支え」です。
腕や脚を骨格で突っ張ることで、相手の重みを受け止め、スペースを確保します。力任せではなく、身体の構造を活かすことがポイントです。フレームがあれば、相手がどれほど力強くても押し潰されず、呼吸を保つことができます。
一方、ベースとは「自分の土台」です。
姿勢や体重のかけ方を安定させることで、崩れない強さをつくります。ガードを守るときも、パスガードを仕掛けるときも、ベースがなければすべての技は不安定になります。
私はよく、「技は飾り、基礎は土台」と伝えています。
どれだけ派手な技を覚えても、フレームとベースがなければ実戦では通用しません。逆に、フレームとベースがしっかりしていれば、どんな場面でも落ち着いて対応できるのです。
カルペディエム新潟のクラスでは、まずこの基礎を徹底的に身につけることを大切にしています。白帯の方にとっては「守る力」、色帯の方にとっては「技を通す力」となり、必ず柔術の幅を広げてくれるはずです。
柔術を学ぶ上で忘れてはいけないのは、勝つためのテクニックの前に「生き残るための基礎」があるということ。
それは試合だけでなく、人生にも通じる考え方だと思います。